近年、神社結婚式に再び注目が集まり、「私もきれいな和装をして結婚式を挙げたい!」という女性が増えています。
しかし、一言に和装といっても、どんな種類があるの?何がどう違うの??もう何をどう選べばいいのかわからない!!そう思っている花嫁も多いはず。
でも実際、和装を選ぶことは簡単なんです!
いたってシンプル!ただ自分の好みやシチュエーションに合ったものを選べばいいだけ!!
そうは言ってもいろいろと知識は必要なので、和装について詳しく一緒に見ていきましょう。
【花嫁】の5つの和装の種類・魅力
女性の和装は大きく分けて5種類あります。
- 白無垢
- 色打掛
- 引き振袖
- 新和装
- 十二単
この中で最も格式が高く、和装花嫁の代表格が「白無垢」と「色打掛」です
しかし最近ではこの二種類に留まらず、花嫁自身のシチュエーションや好みによって選べるバリエーションがたくさん増えているんです!
白無垢(しろむく)
まずは王道!
打掛から掛下、帯、小物、草履まですべて清純無垢な白色で統一された和装。これが白無垢です。
髪型は以下2つが伝統スタイルです。
- 「分金高島田」に「角隠し」
- 「分金高島田」に「綿帽子」
最も格式が高く、厳粛な神社でのお式にぴったり。
美しい純白には、「嫁ぎ先の色に染まる」・「身を清め、神聖な儀式を行う」という花嫁の覚悟と誠意を表していて、なんだかとても花嫁心をくすぐります。
では、もう白無垢一択だねっ!と思ったあなた、ちょっと待って!
日本の伝統的な美しい細工を全身に施した、色打掛も素敵なんです。
色打掛(いろうちかけ)
参考:LA-VIE
白無垢と同格とされる色打掛。一番上に羽織る打掛に鮮やかな色や豪華な柄が用いられます。
以前は白い掛下と合わせるのが一般的でしたが、最近では様々な色や柄の入った色掛下とのコーディネートを楽しむのが主流。
伝統的な織りや刺繍、染めで彩られた打掛は日本の婚礼衣装ならでは。
色打掛は
- 角隠しと合わせれば、伝統的な正装を
- 洋風のヘアセットにすれば、個性を出したオリジナルの装いを
こんな風に多彩な演出ができるのです。
じゃあ、この2つから選ぼう!と思ったあなた、次の「引き振袖」も捨てがたいのでチェックしておきましょう!
引き振袖(ひきふりそで)
参考:京都かしいしょう
未婚女性の第一礼装である「振袖」の、裾を引くようにして着るスタイル。
その名前の通り「引き振袖」と呼ばれ、「大振袖」や「本振袖」とも呼ばれるように、振袖の中で最も格式の高い装いです。
黒地の引き振袖は「黒引き振袖」と呼ばれ、引き振袖の中で一番格式が高く、以前はこの黒引き振袖のみ挙式で着ることが認められていました。
髪型は分金高島田に角隠しを合わせれば、昔ながらの町娘の婚礼衣装になります。
着物の色柄はもちろんのこと、帯や帯揚げ、帯締めまで細やかなコーディネートで個性を出せるのが魅力と言えるでしょう。
打掛を羽織らないので、女性的なラインが出て美しい印象を与えられるのもポイント!
また、軽くて動きやすいので妊娠中の結婚式にもお勧めです。
どうですか?自分に一番合った和装は目ぼしが付いたでしょうか・・・?
いろいろと書きましたが、結局は、ご自身の好みで判断するのが良いです。
続いての衣装は、「実はまだドレスにしようか迷ってる!」という方、要チェックの新しい和装です!
新和装(しんわそう)
出典:https://ameblo.jp/maruichi010101/image-12251230635-13877080034.html
新和装とは、着物にドレスのテイストを加え現代風にアレンジした衣装のことを指します。
伝統的な素材とレースなどの新しい素材を上手く組み合わせ、まさに「和装とドレスのいいとこどり!」といったスタイル。
髪型は洋風のヘアセットが多く、それにベール風にアレンジした綿帽子を合わせるのが人気。
「ドレスと和装、どっちも着たい!!」という場合にはもちろん、「神前式に決まったけどドレスが着たかった…」という場合の救済措置にもなってくれます。
ただ、厳格な神社では着用できない場合もあるのでご注意を!!一度、挙式を挙げる神社へ確認してみてください。
ドレスと和装を両立する方法は、以下の記事を参考になさってください。
和婚でドレスを着る方法|両方着れるいいとこ取りはいかが?叶える方法を教えます!十二単(じゅうにひとえ)
https://www.miyabi-yuki.jp/wp/wp-content/uploads/old/2018629165431.jpg
何枚もの着物を重ねて着る十二単。その独特のスタイルは長い時を経ても優美で洗練された魅力があります。
平安時代に生まれた十二単は成人女性の正装とされており、現在でも皇族妃のご成婚の儀の御衣裳。
昔は12枚やもっと多くの着物を重ねていたそうですが、大正時代に初めて着付け方が定められ、今では7~8枚の着物を重ねて着るのが正式。
重ねる枚数は減ったのですが、その重さは「白無垢」や「色打掛」のおよそ2倍。
しかし、締め付けがない分、楽だと感じる花嫁も少なくないとか。
髪型はお雛様のような「大垂髪(おすべらかし)」や、長い髪を後ろで緩くまとめた「垂髪(すべらかし)」が伝統です。
髪型についてより詳しくは
【和婚】3種の髪型を徹底解説!どの髪型が人気?顔のタイプ別で似合う髪型を伝授【新郎】の和装は大きく2種類
いちおう、新郎の衣装説明もしておきますね・・!
黒紋付・袴(くろもんつき・はかま)
正式名称は「黒五つ紋付き羽織袴」と呼ばれる男性和装の最も格式高い正装。
「紋付」と略して呼ばれることもあります。
色は黒、着物と羽織に家紋が5か所入っていて、白色の羽織紐と縞柄の袴を合わせます。
色紋付・袴(いろもんつき・はかま)
出典:https://kimono-rentalier.jp/column/kimono/kimono-dictionary-178/
黒紋付とは違い、グレーや白といった他の色の羽織の和装は「色紋付き羽織袴」と呼ばれます。
黒紋付より格式は下がってしましますが、花嫁と衣装の色味を合わせたり、個性を出せたりと、新郎も衣装にこだわりたい場合におすすめです。
家紋が入っていれば神前式で着用できますが、厳格な神社では黒紋付しか認められない場合もあるのでご注意ください。
和装の色や柄の基本知識
婚礼和装を選ぶ時、色や柄の意味を少し知っておくだけで、自分らしい衣装選びの手助けになりますよ!
色
婚礼衣装によく使われるのは、白・赤・黒・金色です。
- 白には…「真っ白なまま嫁ぐ」
- 赤には…「生まれ変わる」
- 黒には…「不動、何物にも染まらぬ決意」
という意味があり、花嫁の心境や表現したい決意に沿って「白無垢」か「色打掛」、はたまた「黒引き振袖」にするのか、考えることができます。
- 金色には…「富、稔り、不変、神聖」
という意味があり、金や銀が織り込まれた錦や豪華な刺繍など、婚礼衣装には欠かせない色なのです。
柄
豪華絢爛という言葉がふさわしい花嫁和装には、二人の結婚を祝福するたくさんの吉祥文様(縁起が良い動物やモノの図柄)が描かれています。
どのモチーフも素敵でどれにしようか迷っちゃう!なんて時は、柄の意味を用いて選んでみましょう。
- 夫婦円満…おしどり・鶴・貝
- 長寿…鶴・亀・流水
- 吉兆…雲
- 出世や不老不死…蝶
この他にも、
- 七宝くしには「豊かな将来を願う」
- 牡丹の花は「嫁ぎ先が理想郷のような場所でありますように」
という願いが込められています。
娘の幸せを祈る母のような、優しくあたたかな柄を身に纏うのも素敵ですね!
では、和装の種類と色や柄の意味を知ったところで、和装の重要な立役者である小物についても知っておきましょう。
花嫁が身に着ける小物を解説
美しい婚礼衣装と共に身に着ける小物にも、一つ一つに意味があります。
懐剣(かいけん)
出典:https://www.touken-world.jp/tips/14183/
帯の左側に挿している短剣。
昔は護身用として身に着けていた花嫁道具。魔よけの意味も。
末広(すえひろ)
花嫁が持つ扇子を意味する。
「末広がりに幸せが続くように」という思いが込められています。
筥迫(はこせこ)
出典:https://www.bs-hana.co.jp/blog/870/
胸元に挿している長方形の薄い箱。
白粉や紅筆を入れるためのお化粧ポーチ。
昔は母親がこれに薬などを入れ、娘に持たせて送り出したそうです。
帯揚げ(おびあげ)
一番上部に巻く帯。
「子宝に恵まれる」・「子孫繁栄」を意味します。
帯締め(おびじめ)
帯の中心に締める一本の太い紐状の帯「丸ぐけ」。
「永遠に続く幸せ」という意味があります。
抱帯(かかえおび)
帯の下に巻く細い帯。
屋外を歩く際に裾を上げるために使用していた、昔の名残。
和装の小物にはたくさんの歴史と人々の思いが詰まってるんですね。
さて、これまで自分の好みやシチュエーションに合わせた自分らしい和装を選ぼう!とお話してきましたが、実はそれだけだと失敗してしまう可能性も!?
神前式での衣装を選ぶポイント
選ぶ時に注意するポイントは、自分に似合っているかどうかを確かめることです。
なぜなら、必ずしも「好き」と「似合う」が一致するわけではないから。
次の5つのポイントに注意して選びましょう!
背丈に柄の大きさは合っているか?
背が高いのなら、大きな柄を美しく大胆に着こなすのがおすすめ。
背が低いのなら、小ぶりの柄でも地味にならず可愛らしく着こなせます。
顔立ちの違いで「色」を選ぶ
目鼻立ちのはっきりしている人は「パキッとした色や派手な柄」が似合い、
(→外国の方には、はっきりした色の方が似あうのです)
柔らかい雰囲気の顔立ちの人には「淡い色や、やさしい雰囲気の柄」が似合う傾向にあります。
小物と着物のバランス
小物選びは、全てを身に纏った時の全体像を思い浮かべるのがポイント。
全体のバランスを考えず、全部自分の好きなものだけで選んでしまうと、まとまりがなく冴えない仕上がりになってしまうなんてことも!
写真映えを考える
写真に残して後日ゆっくり結婚式を振り返ったり、数年後に見返したり、その度に後悔したりガッカリしないために、写真写りを気にすることはとても大切です。
注意したいのが「衿のデザイン・色」と「袖の外側」です。
というのも、顔の発色を良く見せるために衿のデザインと色はとても重要!
それから袖の外側は常に一番目立つ位置に来るので、注意して選びましょう。
第三者に見てもらう
いくつかの候補に絞れたら、必ず第三者にも見てもらいます。
プロの意見を聞くのも参考になりますし、ご両親や新郎の意見も取り入れることで皆が満足できるお式になること間違いなし!
【神前式】参加者の衣装ガイド|親族・友人・子供徹底解説和装の美しい着方とチェックポイント
せっかく素敵な和装を着ても、姿勢や仕草が美しくなければ野暮ったく見えてしまいます!そして和服と洋服とでは身だしなみのポイントも違うんです。
和装なんて慣れてないから難しそう!??と思いますよね。
でも心配いりません。いくつかのポイントだけ押さえておけば大丈夫!
和装を着たときのチェックポイント
「和装だと肌の露出は少ないから、ドレスに比べてムダ毛の処理をしなくて済みそう!」なんて、油断していてはいけません。
格式高い和装では、大胆にうなじを見せるのが一般的。
というわけで、美しいうなじを手に入れるために「肌荒れ対策」・「シェービング」は忘れずに!
和装姿を美しく見せる立ち居振る舞い
和装は洋服と違い、体の可動範囲が格段に狭くなります。そして何より動くことによっての「着崩れ」が最大の問題です。
でも、下の4つのポイントを守っていれば大丈夫!
- 背筋を伸ばし、胸を張って立つ
- 足は内股を意識して、歩幅を小さめに抑えて歩く
- 腕は胸の位置より高く上げない
- お辞儀は、背筋をまっすぐ腰から曲げる
この4つさえ意識していれば、上品で麗らかな花嫁の完成です。
やはり何と言っても結婚式の主役は花嫁。
自分が好きな、自分に似合う和装を選んで、そしてちょっとだけ新郎や両親の意見も取り入れたりして、素敵な神社結婚式を挙げられるといいですね!