神社で白無垢の花嫁。
芸能人の挙式や映画などで目にしたことも多いのではないでしょうか?日本人なら誰でも憧れてしまいますよね。
「和婚」は神社などの神様の前で誓いをしますので、親族のみの参加が基本です。(最近は、友人の参加も許可されるケースが増えています)
ですから、神前式など「和婚」に参列した経験のある方は少ないでしょう。
なので、式の最中は一体何をしているのかわからない!という方がほとんどではないでしょうか?
今回はそんな謎に包まれた「和婚」の、式当日1日の流れを伝授します!
和婚の「式当日の流れ」をステップごとに紹介
神社で執り行う「和婚」も、結婚式場やホテルの「和婚」も基本的には全国どこでも流れは同じです。
自宅出張でのお支度ではない限り、ほとんどのかたが式場へ出向き、支度を開始します。
でも実は、ほんの2、30年前まで、式当日は自宅に美容師さんが早朝から来て、お支度をして自宅から花嫁車(かつらをかぶるため天井が開く専用の車が存在します)に乗り、神社へ出向くことがスタンダードだったんです。
花嫁が出発するときに寿と書かれた「菓子撒き」をする地方もありますよね。
とまぁ、昔の話は置いといて、神社・式場でお支度する現代の流れをご紹介します。
・式の3時間前ヘアメイクスタート
新郎新婦のヘアメイクや着付けは、2時間~2時間半の時間を要します。
その後、式のリハーサルや写真撮影をおこなったり、親族紹介や親族集合写真撮影などがあります。
ですから、式の30分から1時間前には、支度終了しなければなりません。
逆算すると式の3時間前には式場へ入る必要がありますね。
式の時間は10時式から1時間刻みで入ることが多いです。
- 午前式なら10時式や11時式
- 午後式なら15時式や16時式
開始時間は、式後の披露宴をランチにするかディナーにするかで、決める場合が多いです。
10時式の場合は、朝7時には式場へ到着しなければなりません。意外と早起きですよね。
式の1時間前には親族の集合です。新郎新婦はご挨拶もそこそこに、「型物(かたもの)」と呼ばれる撮影(打掛をお引きずりで撮影すること)をおこなったり、リハーサルを巫女からうけたりで大忙しです。
親族には「桜茶」(お祝いの席で出されることが多いお茶、関西では昆布茶も多いそうです)が振る舞われたり、別室で親族紹介がおこなわれたりしています。
・参進の儀(花嫁行列)
いわゆる花嫁行列と呼ばれます。
神社の場合は鳥居から雅楽の音楽とともに
- 神職
- 巫女
- 新郎新婦
- 両親
- 親族
この順番に並び神殿まで向かいます。途中、手水でお清めもあります。
現在では、ほとんどの場合、新婦の衣装は打掛の場合も大振袖の場合も引きずることはありません。式の前に着付師さんが歩きやすいように腰の位置で紐で縛ります。「おかかえ」と呼ばれます。
まれに着物を紐で縛らず、手で持たせる場合もあります。その場合、巫女さんが移動のたびに手に持たせてくれるので心配なさらずOKです。
もし、神前式が雨だったら?変更イベントや対応方法などを記事にしました。
神前式の雨は最悪?→No!実は縁起が良い。必要な準備と対処&出席者への配慮を解説・入場
神殿に到着したら、草履を脱いで神殿の正面に新郎新婦が着席します。両サイドに親族が座ります。
新郎が右、新婦が左です。これは全国どこでも同じなので覚えておくと良いでしょう。
ホテルやゲストハウスなど「和婚」でない場合も新郎が右が基本です。そのためドレスは新郎側ではない左にデザインが多くされています。
ヘアスタイルも左にヘアアクセサリーを付けるので、髪型は左がメインと覚えておくと役にたちますよ!
(注意、チャペル式の場合は教会によって違います)
・修祓(しゅばつ)の儀
出典:https://ikutajinja-kaikan.jp/ceremony
神職が、式の始まりを大幣(おおぬさ、神にささげる布でできたもの)を振って祓詞(はらいことば)を奏上します。
・祝詞奏上(のりとそうじょう)
神に2人の結婚の報告と、夫婦の誓いの言葉を述べます。
・三献の儀(さんこんのぎ)
いわゆる三々九度と呼ばれる儀式です。
大中小の3つの盃を酌み交わします。巫女が手に盃を持たせてくれるので、「1、2、」と盃に口をつけ「3」で飲み干します。
お酒を飲むと、女性や顔が赤くなりやすいかたは、口をつけるだけでも大丈夫です。
神社や式場によって御神酒(おみき)の種類は違いますが、「美味しかった」と式後に仰るかたも!
お酒好きなかたは御神酒の味も楽しんでみてください。
3つの盃を飲み干し、式中に親族杯と呼ばれる親族全員で誓いの盃を交わす行事があります。新郎新婦は合計4回の御神酒を飲むことになります。
顔が真っ赤になって退場されるかたが、稀にいます・・・!お酒に弱いかたはくれぐれもご注意を。
・誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦が神前へ進み、誓いの言葉を述べます。
昔はありませんでしたが、現在はこの時に指輪の交換をすることが多いです。
・玉串奉奠(たまぐしほうてん)
「玉串」と呼ばれる、木の枝にギザギザの紙垂(しで)と呼ばれる紙をくくりつけたものを神前に奉納します。
巫女から受け取り右回りに半周します。お祈りをして、もう半周。(詳しくは式前のリハーサルなどで巫女が教えてくれますのでご安心を)
右回りで1周してお供えすると覚えておけば大丈夫です。
この玉串奉納は結婚式以外でも、「新居を建てて神主さんを呼んだとき」や「会社などの新年の挨拶」などでも行いますので、覚えておくと良いでしょう。
その後、神社の場合は巫女の舞が執り行われます。
鈴がたくさんついた「神楽鈴(かぐらすず)」と呼ばれるものを持って、シャランシャランと雅楽の音楽に合わせて巫女が舞を奉納します。
タイムスリップしたかのような神聖な気持ちになり、和婚ならではの祝いの舞を見ることができます。
・親族盃の儀(しんぞくはいのぎ)
三々九度の親戚バージョンです。
親族全員に盃を持っていただき、御神酒を全員で飲み干し、両家が親族になった契りを交わします。
この時の盃は大中小の3つではなく1種類のみです。親族の方はこの1杯だけなので、せっかくなので飲み干しても大丈夫でしょう。
未成年の場合は口をつける素振りで大丈夫です。
・斎主一拝と挨拶
新郎新婦、参列者全員起立し、神前で1礼をします。
神職より式の結びと新郎新婦へのお祝いの言葉で、挙式が終了します。
全部で20分から30分くらいなので、体感としてはあっという間に終了してしまうでしょう。
・退場
退場も新郎新婦から退場し、その後親族の退場と続きます。
新郎新婦は安堵の表情を浮かべ、夫婦になった実感が沸いているのではないでしょうか?
式が終わると、被り物と言われる「綿帽子」や「角隠し」を外されるかたがほとんどです。教会式でいうベールと同じですね。
その後、神殿の前で参列者の皆さんと写真撮影をしたり、披露宴会場などへ移動します。
和婚の披露宴に関してはコチラの記事にまとめています。
和婚の披露宴の流れとおすすめの演出|定番からゲストと楽しめる演出まで【まとめ】神前式当日の流れ
親族ではない限り「和婚」に参列することはほとんどないため、式の内容は謎に包まれた「和婚」
式当日の全体の流れは、だいたいご理解いただけたでしょうか??
雨の中、番傘をさしての花嫁道中や、寒い地方の雪の中の花嫁道中などを見ると本当に「和婚は美しい」と思います。
式の時間は2、30分と短いですが、内容はぎゅっと詰まっており、意外と忙しいのです!
現在はリハーサルを行う会場も多いですし、(昔はリハーサルという観念がなかったそうです)巫女が丁寧に毎回説明してくれるのでご安心ください。
最近は、参加する親族の数が減っていることから、親族以外の参列も許可してくれる会場も多いです。友人を式に招きたいかたも、神社やプランナーに相談してみることをお勧めします。
ご自身の母親から「かつらや打掛の着物が重たくて大変だった!」と、聞いているかたも多いかと思います。
ただ、実際には1時間ちょっとの時間なので、重さや着物に慣れないかたでも心配ご無用です。
それに、かつらは昔より随分と軽くなっていますし、着物もお色直し用の簡易的バージョンも登場しています。
ぜひ不安がらないで、憧れの「和婚」で結婚式を挙げてください。